私がFXを知ったのは、主婦が脱税事件を起こしたという新聞記事でした。
その時の驚きは、主婦がそんな大金を脱税していたというよりは、脱税するほどに稼いだという事実です。
彼女が稼いだ方法というのが、外国為替証拠金取引、いわゆるFXでした。
それまで私は、株を少しだけかじったことはありましたが、FXの経験はありませんでした。
しかし何よりも普通の人間が、株で稼ぐためには非常に困難な額を稼ぎ出しているという事実に心を動かされて、まず書店に行ってFX関連の書籍をいくつか買ってみるところからスタートしたのです。
そこでわかったことは、FXは株と違って売りからスタートすることができるということです。
これによって、停滞した相場でも工夫することによって稼ぐことができると知りました。
また、取引対象が各国の通貨であるために、所持通貨の価値がゼロになるリスクが非常に少ないというのも、株と異なる点でした。
株の場合、会社が倒産してしまえば、株券の価値はゼロになってしまうからです。
そんなメリットを知った上で、ひとまず小額からFXを始めてみることにしました。
最初はFX会社のサイトをいくつか閲覧して、一番わかりやすいところでデモトレードを行うことから始めました。
デモトレードでは、思った以上の結果を出すことができ、それが私の自信につながりすぐに本取引に移行する決断をさせます。
しかし、実際にトレードをしてみると、うまくいかないことの連続でした。
その理由は明白で、私自身が株の常識をそのまま引きずり、新聞の情報や値ごろ感とをもとに売買をしてしまったことが原因です。
私はここで口座に入れた資金の半分近くを失うことになりましたが、それを取り戻すために、改めてトレードのテクニックを本で学びました。
そこでわかったことは、チャートだけを判断材料にしてトレードを行うことで、大きな失敗をしなくなるということでした。
実際に、チャートの検証を繰り返しながらトレードを続けたことで、徐々に資金はプラスに変わっていき、半年後には最初に口座に入れた額の3倍の資金を運用することができるようになったのです。